桑名・多度大社の「上げ馬神事」 動物愛護法違反の疑いについて関係者全員を不起訴
三重県桑名市の多度大社の伝統行事「上げ馬神事」で、2023年に馬に暴力的な行為をしたなどとして、三重県警察本部が神事の関係者を動物愛護法違反の疑いで書類送検していましたが、津地方検察庁は25日、嫌疑不十分で不起訴にしました。
2023年の「上げ馬神事」で馬が転倒して足を骨折し、殺処分された問題を巡っては、東京都の動物愛護団体が「馬に急な坂を駆け上がらせた結果、転倒につながった」として主催者側を刑事告発しました。
三重県警察本部は去年9月、神事の関係者が馬を興奮させようと、たたいたり蹴ったりするなど暴力的な行為をしたとして、動物愛護法違反の疑いで書類送検しました。
津地方検察庁は「関係各所を精査した結果、犯罪の成立を認定するための証拠が不十分だった」として、神事関係者を嫌疑不十分で不起訴にしました。
去年5月に行われた神事では、2メートルあった土壁は撤去され、勾配を緩やかにした坂を駆け上がるといった方法に変更するなど、改善策を講じた上で行われました。