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「半導体バブル」無人駅で通勤ラッシュ 熊本県と同様に三重県も人手不足 リスキリングで挑む企業も

世界的な半導体メーカーの工場が建設され、いわゆる「半導体バブル」に沸く熊本県。大きな経済効果が期待される中で、実は三重県の半導体産業と同じ課題に立ち向かっています。熊本県の現状を取材しました。

のどかな景色が広がる、熊本県菊陽町。物静かなこの町でいま、全国でも類を見ない半導体バブルが起こっています。

改札機もない無人駅で通勤ラッシュ。人々が向かうその先は、半導体の受託生産で世界最大手、TSMC・熊本工場です。総投資額は日本円で約1兆2900億円。この巨大工場は、町の景色を一変させています。土地の価格の動向を示す「地価公示」で、菊陽町は全国トップクラスの上昇率、周辺では次々とマンションの建設が進められています。

半導体製造において必要な特殊ガスなどを販売するジャパンマテリアル。三重県に本社を置くジャパンマテリアルは、熊本県にも事業所が存在します。

三重から熊本に転勤してきた社員も数多く、町の変化についてジャパンマテリアル営業職の社員は「たくさんの台湾人が来ている。熊本市内に行くと、ここは日本かと思うぐらい多い」「熊本県自体も訪れる客側も熱を持っていると感じる。中国語や英語のやり取りもあるので、通訳も雇ってサポートしてもらっている」と話します。

熊本TGM統括部の近藤賢市部長は「九州地域が熱い。大半がTSMC進出で半導体業界に興味を持って会社に入ってくる。携わりたいと言う人が大半」と話します。

半導体バブルに沸く熊本県ですが、実は三重県の半導体産業とも共通する人手不足という課題を抱えています。

そのような状況の中、「リスキリング」という方法で課題解決に挑む企業があります。リスキリングを実施している半導体関連装置の企画・開発を行うマイスティア。ここで、講義を受ける受講生たちは、半導体の知識を持たずに入社した人たちがほとんど。

専門人材の獲得を目指すだけではなく、知識を学び直すことで人材を育てます。

マイスティアの豊田桂也さんは「元々、違う分野の仕事をしていた人が70%。私たちにできることは環境を整えること。半導体を知らない人でも半導体製造業界で働ける」と期待を込めます。

受講生は「半導体関連の仕事はしていなかった。入社後の教育があると現場に行ってからの第一歩が違う」「日本で主に人材育成の手法などを学びたい。半導体は一般人でも扱えるモノ、最高の産業だと思う」と話していました。

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