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医師と理学療法士が開くカフェ 健康相談して玄米コーヒーで一息

 三重県伊賀市に今年3月末、医療に携わる人たちがスタッフとして健康相談などに応じるカフェがオープンしました。カフェを立ち上げ、運営する人たちの思いを取材しました。

 伊賀市に登場したカフェ「暮らしの保健室&喫茶室」は、空き店舗を活用したもので、伊賀市に住む山﨑直美さんが開きました。山﨑さんは名張市内の診療所で医師として働いています。「もともと在宅診療に約3年前から関わっている。病院に行くまでもない、ちょっとした悩みごとなどを気軽に相談できる場所がつくれたらなという思いで開いた」と振り返ります。

 健康の悩みなどを相談できる場所として、医師や理学療法士など医療従事者が相談に対応しています。(毎回、医療従事者がいるとは限りません)

 山﨑さんは「生活の相談や薬はいつまで飲み続けたらいいのかなど、かかりつけ医に相談したらいいことかもしれないが、診療時間が短かったり思いを言いにくいという人もいる。また、膝の痛みや咳で寝られない、誰に相談していいか分からないという人もいる。そういう人たちにアドバイスすることで安心感を与えられているのかな」と話します。

 カフェでは健康を考えたメニューがあり、伊賀米を焙煎して作る玄米コーヒーを提供しています。「コーヒーやお茶ではない不思議な味。しかし玄米は白米よりも栄養素がたくさん含まれている。カフェインを取りすぎるとお腹をこわしてしまう人やコーヒーを飲むと貧血になってしまうという人もいるので、コーヒーの代わりに飲んでもらえる」と自信をのぞかせます。

 玄米コーヒーを初めて飲んだという人は「とても香ばしい。鼻に抜ける香りがとてもいい」と頬を緩ませていました。

 ある日、手話や筆談で会話をする人たちの姿がありました。店頭に立っていたのは、いなべ市で筆談カフェを運営する夏目文絵さん。看護師としての顔も持ちます。6月から月に1回、この場所で、出張型の筆談カフェを開くことになりました。(毎月第2火曜日の午後)

 利用者は「中途失聴で筆談カフェができたらいいと思っていた。手話や筆談を交えて話せる楽しい場所であったらいい」と話します。

 夏目さんは「保健室は学年やクラスの垣根を越えて誰もが来られる場所。聞こえる人も聞こえない人も平等に交わってもらえれば」と気持ちを新たにします。

 困りごとがあったときに気軽に頼れる医療従事者によるカフェ。この場所を起点に交流が生まれ、支え合える地域を目指しています。

 山﨑さんは「近所で働く医療・福祉従事者で、私たちの活動に興味を持ってくれている人も出てきている。協力してもらいながら営業日を増やし、たくさんの人に来てもらえたら活動も広がっていくと思う」と期待を込めます。

 医師の山﨑さんといなべ市の理学療法士が共同経営する「暮らしの保健室&喫茶室」は現在、月に10日ほど開いていて、営業日や営業時間はインスタグラムで確認することができます。インスタ:kurashi_ina2023

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