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「錦流の伝統」149年の歴史に幕 学び舎を後にした最後の卒業生 大紀町立錦小学校

 19日、三重県内の多くの公立小学校で卒業式が行われました。

 児童の減少などに伴い、3月末で閉校となる大紀町立錦小学校では最後の卒業式を迎えました。

 1876年に創立された錦小学校は、ピーク時だった1946年昭和21年には802人の児童が在籍していましたが、現在の全校児童は20人となり、来年度から町内の大紀小学校と統合されます。

 最後の卒業式となった19日、保護者や在校生が見守る中、卒業生4人が堂々と入場し、中学校での目標を発表して奥野和秀校長から卒業証書を受け取りました。

 奥野校長は「錦小学校で得た知識、経験、友情は大きな財産になっていると思う。最後の卒業生として地域のためにも元気に活動する姿を見せて」とはなむけの言葉を送りました。

 卒業生4人は小学校の6年間を元気に振り返り、これまで見守ってくれた家族に向けて手紙を披露し、感謝の思いを伝えていました。

 最後の卒業生となった4人は在校生らに見送られながら、たくさんの思い出を胸に学び舎をあとにしました。

 卒業生からは「運動場で鬼ごっこやサッカーをしたことが一番の思い出」「149年間の最後の卒業生として式に臨めて嬉しかった。錦流の伝統がこの学校にはある。それを残していってほしいと思う」と胸の内を話していました。

 保護者からは「人数が少なくなったので、私たちの時よりもみんなが仲良しでいいなと思った。地域と接する機会が多かった。そういう学校がなくなるのはやっぱり寂しい」との声が聞かれました。

 これまで約3900人の児童を送り出してきた錦小学校は、3月末に149年に及ぶ歴史に幕を閉じます。

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